ヘラブナ釣りの楽しさ

ヘラブナ釣りは近年楽しめる場所が減ってきている地域もあると聞きますが、それでもまだ根強い人気を持っています。そんなヘラブナ釣りの魅力はどんなところにあるのでしょうか。わかりやすく紹介していきます。

■ヘラブナ釣りの楽しさ
ヘラブナ釣りははたから見ると、じっくりと浮きが沈むのを眺めて、アタリがあったら合わせるという動作は、ほかの釣りとまったく変わらないように見えます。ですが、実際にはへら師はそんな単純な動作の中でも状況を見て多くの判断をしています。

例えば、プロのへら師と中級レベルのへら師が並んで同じ釣り方をしたとしても、釣果に差が出ることは珍しくありません。ダンゴエサの配合、ハリスの長さ、浮きのバランス、アタリの見極めなど、長年の経験やテクニックといったものが表れやすいのがヘラブナ釣りで、これも魅力の一つといえるでしょう。

ヘラブナのアタリは小さく、冬などは特にアタリがわかりづらいこともありますが、春や秋には多くの場合なんらかのアタリがあり、それだけでも楽しめます。アタリを待ちながらヘラブナ釣りならではの静かな雰囲気を楽しむのもいいですが、比較的頻繁に何らかの反応があるため、楽しさが持続するというメリットがあります

アタリがあったときは見逃さず、絶妙な速さで一瞬にして合わせないとエサを取られるだけで終わります。ほかの釣りでもそのようなコンタクトがありますが、ヘラブナ釣りにおいてはまた少し違った繊細な感覚があります。

ヘラブナ釣りが楽しめる場所
ヘラブナ釣りは大きく分けて、釣り堀や釣り池公園などの管理された「管理釣り場」で釣る場合と、管理されていない池や湖などの「野釣り場」で釣る場合に分かれます。管理釣り場は確実にヘラブナが放流されており、野釣り場よりも釣りやすいのが特徴です。釣りは魚が釣れたときにもっとも楽しさを感じるものですので、初めのうちは釣りやすい管理釣り場から始めることをおすすめします。無料で釣りを楽しめる釣り堀や釣り池もありますので、道具をそろえれば気軽に始められるところもいいですね。

■ヘラブナ釣りで使われているユニークな道具
自分だけの道具を持つということも、ヘラブナ釣りの楽しさといえると思います。なぜなら、釣竿にしても独特ですし、竿掛け、箱雅などほかの釣り道具とは少し違ったものや芸術的な面もあり、コレクションのように集めてしまう人もいるぐらいです。

へら竿
へら竿はヘラブナ釣り専用の竿です。通常の釣竿に比べて組み立て式で、多少変わった形をしています。ヘラブナ釣りでは普通の釣りのようにリールを使いませんので、リールを取り付ける場所がないのも特徴です。サイズは「尺」で表され、1尺は約30センチになります。8尺以上の竿を買うようにするといいでしょう。現在はカーボン製が主流ですが、伝統的な竹竿も独特な使い心地があり、さらに芸術的な美しさもありますので、慣れてきたら手を出してみたいものです。

シマノ(SHIMANO) へら竿 刀春(とうしゅん)

竿掛け
竿掛けはへら竿を一時的に掛けて(置いて)おくための道具です。ヘラブナ釣りではエサをつけるときなどに頻繁に竿を置きますので、竿掛けは必需品です。注意点として、竿の長さと合っていない竿掛けを使っていると、アワセのときなどに水に浸かった竿に大きな負担がかかり、竿を折る原因にもなりますので、竿に合ったものを選ぶことが重要です。

竿受け
竿受けは竿掛けの先端に取り付け、竿をより受けやすくするパーツです。

万力
万力は竿掛けをへら台などに固定するためのものです。負荷がかかる竿掛けをしっかり固定するために、質の悪いものを購入しないようにしましょう。悪いものだと竿が池に落ちてしまう可能性があります。竿掛け・竿受け・万力はセットで売られているものもあるため、これを買うのが便利です。

へら 芳技一本半竿掛け万力セット(口巻・笛巻)

玉網、玉の柄
玉網と玉の柄(玉網の柄)はヘラブナを釣り上げるときに使うものです。なくてもヘラブナ釣りは楽しめますが、片手で竿を操りもう一方の手で玉網を使い魚をすくうというスタイルがヘラブナ釣りの特徴でもありますので、それも込みで楽しむとよいでしょう。また、玉網を使うことで、へら竿への負荷を減らすこともできます。玉網と玉の柄はバラのものとセットのものがあります。

ヘラブナ玉網セット 芳技 玉ノ柄 1本物 + 籐巻き加工 木製ヘラ玉網 尺(30cm)3ミリ目 180サイズ

玉置
玉置は玉網を掛けておく道具です。必須の道具ではありませんが、魚をすくって一時的に置いておく場合などに便利です。

竹枠玉置28cm 80サイズ

箱雅
箱雅は浮きなど、ヘラブナ釣りの道具を入れておく木製の小物入れです。ほかの道具箱でも代用できますが、ヘラブナ釣りの雰囲気を楽しむために使ってみるのもいいでしょう。職人に作られたものは芸術的な品が多く、基本的には高価です。

箱雅 欅玉杢 耳順造り ハリス箱幅広70㎝

浮き
ヘラブナ釣りの浮きはとても重要なアイテムで、あらゆる棚(深さ)を探るために様々な種類の浮きを用意すると釣果を上げられます。

へら浮き 希粋(きすい) カヤ チョウチングラスムク 7本セット

針外し
針外しはその名の通り、魚にかかった針を外す道具です。自分で外せるなら必ずしも持っておく必要はありませんが、へら用のものはやはり独特なフォルムなので、コレクションとして持っておくのもいいかもしれません

釣り用 ハリハズシ (600023)ヘラブナ

ほかに必要なものは、ライン、針、エサやエサを作るためのボウルなどがあります。

■まとめ
実際の釣りでも道具収集でも、ほかの釣りとは一風変わった魅力や楽しさを持ったヘラブナ釣り。釣り道具においても芸術的でコレクション要素が強いのは、ヘラブナ釣りの隠れた特徴といってもいいでしょう。ぜひそれも含めて楽しんでみてください。

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